レーザー彫刻用のSTLファイルを探しているなら、すでに壁に突き当たっています。メッシュを見つけてレーザーソフトを開いても、インポート画面ではその形式を選べません。LightBurn、LaserGRBL、xTool Creative Spaceが受け付けるのはSVG、DXF、PNG、JPG、BMPです。どれもSTLは読み込みません。レーザーヘッドはXとY方向に動いてビームを照射しますが、三角形メッシュを追うZ軸はありません。問題はファイル形式ではなく、機械が2Dだということです。
代わりに必要なのは、ベクターパスかラスター画像です。SVGやDXFなどのベクター形式は線と塗りを記述するため、レーザーは輪郭をたどったり、図形を塗りつぶしたりできます。PNG、JPG、BMPなどのラスター形式はピクセルを記述するため、写真全体で出力を変えられます。レーザーソフトのインポート画面に表示されるのはこれらの形式です。STL、OBJ、3MFが表示されないのは、これらが3D空間の表面を記述する形式で、ヘッドが平面から離れないためです。
それでもSTLが役立つ仕事は2つあります。1つ目はCNCレリーフです。ボールノーズカッターはZ方向にも動くため、高さマップをメッシュとして出力すれば、彫刻パネルに加工できます。2つ目は治具です。タイル、コースター、ナイフのブランクを毎回同じ場所に置けるホルダーを印刷すれば、加工ごとの位置ずれを防げます。メッシュはセットアップ用の道具であり、レーザーが焼き付けるファイルではありません。
同じゴールにたどり着く方法は3つあります。画像を載せたワークを、対応する機械で作る方法です。
画像を最終的な実寸で、約300 dpiのグレースケールPNGとして出力し、暗いピクセルほど高出力になるよう反転します。レーザーソフトが明るさを出力に割り当て、あとはビームが処理します。トレースした輪郭では表現できないグラデーションや写真の陰影も保持できます。
画像を自動トレースするか、手作業で上から描き、曲線が滑らかになるまでノード数を減らします。出力前に、線をカットライン、塗りを彫刻範囲として設定します。ロゴ、文字、単色の図形は、写真よりこの方法に向いています。
CNCレリーフや印刷用の治具を作る場合は、画像をSTLに変換します。2~4 mmのレリーフ深さがあればカッターが追従でき、0.2 mmのクリアランスを設けた治具ならブランクを直角に保持できます。どちらもレーザーファイルではありませんが、レーザーにない3次元形状が必要な仕事です。
ラスター彫刻はドットの集まりです。100 mmのタイルを300 dpiで処理すると、横幅は約1180ピクセルになります。どれだけ残るかはレーザーのスポット径で決まり、ダイオードモジュールなら幅約0.08 mm、CO2チューブなら約0.15 mmの線を焼きます。グレースケールモードではピクセルごとに出力を変えられるため、実際の階調が出ます。1ビットディザリングでは階調をドットの散らばりに置き換えるので、少し離れるとグレーに見え、近くではノイズに見えます。
トレースしたSVGは、写真ではなく図面のように動作します。すべての線がカーフを持つカットパスになり、通常は幅0.1~0.2 mmです。そのため、5 mmで描いた穴は約4.8 mmで仕上がります。塗りは彫刻、線はカットになり、重ねる順番によって先に切り離される部分が決まります。数百個のノードならきれいにカットできますが、雑な自動トレースで数千個になると加工が遅くなり、角が焦げやすくなります。
画像から作ったSTLは表面なので、グレーではなく高さを持ちます。0.4 mmノズルのプリンターで2 mmのレリーフを作るなら、0.2 mmの場合で約10層が必要です。また、メッシュが水密でなければスライサーに隙間が残ります。STLが保存するのは形状だけでテクスチャは含まれないため、単色で印刷されます。出力前にミリメートル単位でスケールを設定しないと、完成した治具が想定したブランクに合いません。
加工結果が意図どおりになるか、ぼやけるかを決める設定は5つあります。
| 設定 | 一般的な値 | 変わること |
|---|---|---|
| ラスター解像度 | 300 dpi | ビームが再現できる写真の細部 |
| 画像モード | 8ビットグレースケール | 明るさをレーザー出力に割り当てるかどうか |
| 反転 | オン | 白ではなく暗いピクセルを焼くようにする |
| トレースしきい値 | 0.5、目で調整 | どの階調をベクターの輪郭にまとめるか |
| メッシュ単位 | ミリメートル | 出力したSTLが描いたサイズで印刷されるかどうか |
この表の設定だけでメッシュが作られるわけではありません。解像度、モード、反転、しきい値はすべて、レーザーが読むラスターまたはベクターに作用します。STL側に関係するのは単位の行だけで、ファイルをプリンターやCNCに渡すときにだけ重要になります。
必要なのがメッシュそのものなら、このツールでJPG、PNG、SVG、HEIC、WebPをブラウザー上でSTLに変換できます。無料で使え、アカウントは不要です。Windows、macOS、Linux、Android、iOSで動作します。出力されるのは形状だけなので、色やテクスチャは含まれません。レーザーには使わず、プリンターまたはCNC用のファイルとして使ってください。
用途によって異なります。カット、輪郭、文字、きれいな線や塗りの図形にはSVGまたはDXFが最適です。どちらもピクセルではなくパスを記述するためです。写真や陰影には、300 dpiのグレースケールPNGまたはJPGのほうがレーザーで扱える情報が多くなります。STLはどちらにも含まれません。
このページの次に浮かぶ疑問に答えるページです。